めり子の備忘録

家事・育児・読書・DIY・買物・投資などのメモ

「教育格差の経済学」の感想文

これは…久しぶりに残酷な本を読んだな。


教育達成にとって遺伝環境どちらが重要なのか。


東大生の親は年収が高い(1000万円以上が40%超)ってよくいうけど、
これ相関の向きがずっと疑問だったんだよね…
A:親の頭がいいから年収が高い→遺伝で子も頭がいい
B:親の年収が高いから教育に課金できる→子の学力があがる
どちらが答えなのか…思っていたよりずっと複雑だということが、
この本を読んで理解できました。

みんなの認識通り、日本の格差は広がっている。
結果の格差:所得や資産の格差
機会の格差:教育、男女差、環境など
今までは結果の格差はしかたがないという共通認識だったが、
機会の格差に関しても「しかたない」という風潮になりつつある。
そんな現代で、子供のために一番良い選択は何なのか?
親にできることは何なのか?
一番リターンが高い教育投資は何なのか?(重要)


ものすご~く壮大なテーマなのですが、
個々の実験のデータが本当に面白いです。

たとえば本の読み聞かせ
偏差値を5段階で区切り、どれくらい本を読んでくれたか、分布を出してくれています。
ひええ・・・これだけで1000字は語れる…
・子供の頃、父親が本を読んでくれた息子は偏差値が有意に高い。見事な相関。
・娘の場合や、母親の場合は、上記組み合わせほど差はでない。
・「まったく読んでくれなかった」は高卒中卒になる割合が一番高い。

そして、子どもの頭の良さは遺伝なのか、環境なのか。
この本では頭の良さを「知能(IQ)」と「学力」を分けて考えています。
(ほんとはさらに細分化されてる。とにかく読んで欲しい…)


■知能(IQ)について
IQは遺伝の影響を受けるが、影響度合いは年齢とともに上昇する。
幼児では20%だが、中年以降は80%となる。
幼児期は環境でIQが変化する。
下流階級の子供が上流階級に養子に出され、IQが18上がった例がある。
(逆に、年を重ねるほど、勉強や訓練の成果は少なくなる)
非認知能力は、遺伝と環境が半々くらい。


■学力について
影響度は、遺伝55%・共有環境17%・非共有環境29%
こどもに良質な教育を行えば、限界はあるが学力は上昇する。
15項目のうち、一番遺伝の影響が高いのは空間性知能(数学)。なんと70%!
逆に遺伝の影響が低いのは言語性知能で僅か14%、共有環境が58%。
ここのグラフ本当に面白い・・・
数学は天才(遺伝)にはどんなに努力しても勝てないってことか~

先取教育についても興味深いデータがある。
読み書き算数を幼稚園や保育園で行う場合、
3歳までは読み書きの得点が高いが(当たり前)、
4歳5歳で早期教育を受けてない子供たちに逆転される
また語彙得点は早期教育ナシの方がずっと高い。

子ども時代の過ごし方としては、
難関試験突破者は子供の頃は思い切り遊び、好きなことをとことんやった人が多い。
1.5~2倍くらい差がついている。すごいなこれ…
しつけについても、「共有型」が6割で「強制型」は4割。
これは非難関試験突破者の割合と逆だから、明らかに違う。

幼稚園VS保育園も楽しい。
・幼稚園卒のほうが保育園卒より成績が良い
・でも国立大進学率は保育園卒のほうが高い
・保育園に通うと、集中力に欠ける・過激な行動・攻撃的な性格などが改善される。
 (個人的な感想としてはこれは違うと思う…。通わないよりはマシってこと?)
ちなみに筆者は保育園派らしいが、そもそも選択の余地ないよね(笑)

それから塾について。
塾は通った方がもちろん学力はあがる。
国語よりも算数が上がりやすい。(上の遺伝の話と矛盾してる気がするが…)
しかし、学力テスト全国一位の秋田県は、なんと通塾率が全国ワースト
またトップ3のの福井県・石川県も通塾率は低い。
通塾率:秋田県22%、東京58%
これら3県は県・学校・家庭・市民全体が教育への意識が高く、
公立学校のレベルが高い。


作者は、将来的には、ビジネスの世界はいまほど学歴社会ではなくなると言っているが。
受験の秀才がビジネスで成功するとは限らない。
官僚の世界はまだ学歴社会が続きそうとも。

日本は国の教育資金が、GDP比率でいうとものすごく低い。
もっとお金をつぎこんで、公立の教育レベルを上げたい(具体的には、少人数教育)、
そして塾がなくなればよい、というのが作者の願い。
医者の子供は医者になる、みたいな「機会の格差」をなくしたいんだって。
それはもう政府がやるしかないと。
あれ~~、国家レベルの話になっちゃった。

とりあえず、目下の目標のために…


子どもの頃は好きなようにさせよう!
早期教育は意味ないどころか逆転される!
息子には父親が本を読んであげよう!
しつけは情緒的サポート中心の「共有型」で!